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活動報告

【ほとんどの人が勘違い?】「どう笑わせるか」ではなく「どう感じるか」―私たちが笑いで本当に考えるべきこと―

  • 2016年1月12日
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どうも、FUNBEST代表の矢島です。

おかげさまで、2016年からいろいろな仕事が飛び込んできています。始まった仕事、終わった仕事、相談だけあった結局仕事に繋がらなかった案件、好評につきリピートで頂戴した案件などなど。

とにかく、FUNBESTの活動理念にご理解いただき、また応援して下さる皆様から仕事を頂けることが、本当に嬉しく思っています。これからも、支えてくださる一人ひとりのお客様を大切に、全力を尽くしてまいります。

今回は、人を笑わせたり、楽しませたりするための能力、いわゆる「ユーモア・スキル」のことについて説明させていただきます。

「ユーモア・スキル」は、一昨年(2014年)に私の研究によって開発された尺度です。これまで態度面や志向性によってのみ図られていた「ユーモア」に関する尺度を見直し、芸能従事者からのアンケート調査を経て、行動面・態度面双方がバランスよく取り込まれた質問紙を基に調査を行いました。

その結果、「表現力」「創造的思考力」「コーピング力」「論理構成力」の4領域からなる「ユーモア・スキル」尺度が完成しました。論文は2015年、学内紀要ではありますが、掲載されています。

有難いことに、ブックレット「ユーモア・スキル論」を自費出版して以降、この「ユーモア・スキル」の考え方に賛同いただける方々より、多くの仕事を頂いております。

中でも一番大きかったのは、日本即興コメディ協会様を主催として、「ユーモア・スキル養成講座」を2016年1月より実施させていただけることでした。

大きな声では言えませんが、この講座以外にも、そろそろ始まる予定の講座がいくつかあります(本当にうれしい!)。また公表できるようになったらお伝えします!

その中で、皆さまが同様に関心を持たれているのが、「ユーモア・スキル」における「創造的思考力」の存在です。

この「創造的思考力」とは、簡単に言うと、「ユーモアを感じ取るまたは生み出すために視点を変えて思考する能力」のことです。つまり、物事をいろんな視点で捉えて、そこから面白さを見出すことができる能力のことです。

この能力を説明すると、多くの人から、「なるほど!」「その観点は面白い!」と言われます。その理由のほとんどは、「人を笑わせるまたは楽しませるための能力」と聞いた時に、伝え手(話し手)のことはイメージできても、受けて(聞き手)のことはイメージできないからだと思います。

お笑い芸人の面白さは、常に「場」に左右されます。笑いづらい雰囲気や笑いが起きづらい場では、どんなに面白いネタもウケません。

宴会や食事の席などの騒がしい会場では、集中して余興が見られませんよね?コンサートで赤ちゃんの泣き声や携帯の着信音が鳴ると、気が散ってイラッときますよね?それと同じ原理です。どんなに伝え手が優秀であっても、受け手の場が整っていなかったり、受け手自身が笑いを感じ取ろうとしていなければ、意味がありません。

お笑い芸人が自信のネタを見せに行っても、その地域ごとの認知の度合いによって、お客さんがその人たちのネタを本気で見ようとするかが変わってきます。俗にいう「アウェイ」とは、演者が観客に歓迎されていない、または十分に認知されていない状況を指します。逆に、演者が観客に歓迎されている状況を「ホーム」といいます。

「ホーム」であれば、ネタの良しあしに関係なく、笑いが多く発生します。同じネタをやっても、「アウェイ」の笑いの量とは格段に違います。それほど「ホーム」の威力は大きいのです。アイドルのファンが何千人と集まった会場では、アイドルの一言一言に大きな歓声が与えられるでしょう。この「何を言ってもウェルカムな状態」こそ「お笑い無双」の状態であり、芸人であれば、何としても生み出したい雰囲気なのです。

「創造的思考力」には、この「場づくり」に欠かせない雰囲気を読み取る力が含まれています。また、逆境においても何かしらの打開策を導こうとする力も含まれています。自分が置かれている状況を冷静に判断し、笑いが起きやすい「場」を生み出すことが「創造的思考力」の役割なのです。

私たちが、人を笑わせる上で本当に考えなくてはいけないのは、「人をどう笑わせるか」ということの前に、「自分が笑いをどう感じるか」なのです。まず、自分が置かれている雰囲気を感じること。その感覚が研ぎ澄まされていれば、次に自分が取るべき「笑い行動」が思いつくはずです。その過程をすっ飛ばして、自分が用意してきた「笑い行動」をぶつけてしまうと、それは自己中心的な笑いの押しつけとなり、他者に受け入れられづらくなります。

まず、自分が笑い自体をどのように感じ、また、自分が周囲からどのように見られているのかを考えることから始めてみましょう。そうすれば、そこから様々なユーモア戦略が見つかるはずです。

伝え手目線だけでは、笑いの本質は見えてきません。受け手目線で考えるとき、初めて、笑いというものがインタラクティブな関わりを持ち、それでいて、雰囲気によって変化しやすい繊細なものであることが理解できるはずです。

FUNBESTとして、このような笑いが生まれやすい「場づくり」の研究を、今後も全力で進めてまいりたいと思います。では、また気が向いたら、コラムを書きます!